お知らせ

arrow_back一覧に戻る

医療機関が安全・安心にクラウドAIを利用するためのネットワークセキュリティに関する研究の成果を第44回医療情報学連合大会にて発表します

News Release

概要

医療AIプラットフォーム技術研究組合(略称「HAIP」)は、令和5年度厚生労働科学研究費補助金(2次)にて採択を受けた「クラウド上の医療AI利用促進のためのネットワークセキュリティ構成類型化と実証及び施策の提言(23AC1001)」の研究(研究代表者 国立研究開発法人国立成育医療研究センター 岡村浩司)を、国立研究開発法人国立成育医療研究センター、国立大学法人東北大学、徳洲会インフォメーションシステム株式会社と共に進めています。

これまでの研究では、様々な設立母体・病床数・地域の26の医療機関から協力を得て、ヒアリングを通じた医療現場におけるセキュリティの実態や課題の把握を行い、これらを基にネットワークセキュリティ構成の類型化および医療機関に求められるセキュリティ技術の整理を行いました。また地域医療連携ネットワークにおけるゼロトラストへのニーズ調査を行い、新たな地域医療連携セットワークシステムの検討に生かしています。

さらに今後は、医療機関で実際に行っているシステム監査を汎用化し、様々な医療機関で適用できるよう研究を推進していきます。

今般、これらの研究成果を第44回医療情報学連合大会(福岡県福岡市福岡国際会議場・福岡サンパレス)にて、『クラウド上の医療AI利用促進のためのネットワークセキュリティの現状とその課題』と題したシンポジウムを開催し、発表します。

研究成果の概要

昨今、医療機関を狙ったサイバー攻撃が激化しており、その対策が喫緊の課題です。一方で画像診断AIに代表される医療AIサービスや生成AIを活用した医療機関の業務効率向上などがクラウド上のサービスとして利用できる環境が整いつつあります。

国立成育医療研究センターは、AIホスピタルにおいて多くのAI開発を進め、それらアプリケーションの有用性を複数の小児医療機関で実証し、医療AIサービス利用上の課題等を先行して把握しています。また、これらのアプリケーションを様々な医療機関の電子カルテ端末から安全・安心に利用するための研究を進めています。

医療AIプラットフォーム技術研究組合は、医療機関が医療AIサービスを安全、安心、リーズナブルな費用で利用できる実行環境の研究開発を進めており、医療機関へのヒアリングを通して、医療機関が抱えるセキュリティネットワークの統制レベルから構成を類型化した上で、医療機関に有用なクラウド上のAIサービスを利用するためのセキュリティソリューションの実証を進めています。

東北大学は、宮城県を中心とした地域医療連携ネットワークシステムを主導的に運用しており、ネットワークアーキテクチャ、さらには最近注目されているゼロトラストセキュリティの観点から医療機関の現状と課題の把握や今後期待するサービス内容について調査を進めています。

徳洲会インフォメーションシステムは、医療情報システムの安全管理に関する経験が豊富であり、徳洲会グループ病院のシステム監査を実践してきた経験を基に、このノウハウを他の医療機関へも適用できるように汎用化を進めています。

本研究は、ユースケースの実証を経て安全・安心で費用対効果の高いネットワークセキュリティ構成を示すことで、全国の医療機関、将来的には患者や市民も含め、安全、安心にクラウド上の医療AIサービスを利用できる環境構築をめざします。また、激化する医療機関へのサイバー攻撃に関する備えや内部要因による情報漏洩などのリスクを予防するためのシステム監査のルールを示す事を最終目的としています。

今後も国立成育医療研究センター、東北大学、徳洲会インフォメーションシステム、医療AIプラットフォーム技術研究組合で構築した研究体制によって、様々な医療機関からの協力を得ながら、研究を加速していきます。

発表内容

● 発表学会
第44回医療情報学連合大会(福岡県福岡市福岡国際会議場・福岡サンパレス)
● シンポジウム日時
11月22日(金)16:30‐18:00
● シンポジウム名
『クラウド上の医療AI利用促進のためのネットワークセキュリティの現状とその課題』
● 演題
■ 電子カルテ端末からの利用を見据えた医療AIサービスの開発
国立成育医療研究センター:岡村 浩司
■ 病院と地域医療連携ネットワークのセキュリティ対応の実情
国立大学法人東北大学病院:中村 直毅
■ 医療機関ネットワークの類型化から考えるセキュリティ強化のアプローチ手法と、有効な対策ソリューションの紹介
ジェイズ・テクノロジー株式会社:片山 伸
■ グループ病院でのセキュリティ対応とその課題〜システム監査を中心に
徳洲会インフォメーションシステム株式会社:福田 秀樹
■ 地域医療連携ネットワークシステムを活用したゼロトラストのニーズ調査
国立大学法人東北大学災害科学国際研究所:藤井 進
■ クラウド型AIサービス活用の課題と将来の展望について
医療AIプラットフォーム技術研究組合:宇賀神 敦

※ 本シンポジウムの聴講・参加登録につきましては、大会公式サイトからご確認ください。

https://jcmi44.org/

医療AIプラットフォーム技術研究組合の概要

名称医療AIプラットフォーム技術研究組合(略称「HAIP」)
(英文名:Healthcare AI Platform Collaborative Innovation Partnership)
設立日2021年4月1日
所在地東京都江東区豊洲1丁目1番1号
理事会
  • 理事長:八田 泰秀(BIPROGY株式会社 Executive Strategic Advisor)
  • 専務理事:宇賀神 敦(株式会社日立ハイテク Chief Engineer)
  • 理事:藤長 国浩(ソフトバンク株式会社 専務執行役員)
  • 理事:大山 訓弘(日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員)
  • 理事:梅澤 明弘(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 研究所長)
  • 理事:尾﨑 勝彦(徳洲会インフォメーションシステム株式会社 代表取締役社長)
組合員
  • BIPROGY株式会社
  • 株式会社日立ハイテク
  • 日本アイ・ビー・エム株式会社
  • ソフトバンク株式会社
  • 大樹生命保険株式会社
  • 徳洲会インフォメーションシステム株式会社
  • 日本マイクロソフト株式会社
  • 国立研究開発法人国立成育医療研究センター
  • インターシステムズジャパン株式会社
  • 国立大学法人北海道大学
  • 国立研究開発法人国立国際医療研究センター
  • ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
  • 株式会社日本政策投資銀行
  • 学校法人 順天堂
  • 株式会社ライフクエスト
  • セグエグループ株式会社
  • ジェイズ・テクノロジー株式会社
  • 株式会社サウスウッド

本件問い合わせ先

医療AIプラットフォーム技術研究組合

E-mail:admin@haip-cip.org

このニュースリリースの PDF版を見る