お知らせ
医療AIプラットフォームを通して、医用画像共有システムと連携した
脳動脈瘤検出補助AIを医療機関に提供する試行運用を開始
医療AIプラットフォーム技術研究組合(事務所:東京都江東区、理事長:八田泰秀、以下略称「HAIP」)、株式会社エムネス(本社:広島県広島市、代表取締役社長:阿部伸一、以下、「エムネス」)、並びにエルピクセル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:島原佑基、鎌田富久、以下、「エルピクセル))は共同で、HAIPが研究開発中の医療AIプラットフォームを通して、エムネスの医用画像共有システムと連携したエルピクセルの脳動脈瘤検出を補助する医療AIサービスを、医療機関へお届けする試行運用を開始します。
今回の試行運用では、日本医師会AIホスピタル推進センター(Japan Medical Association Promotion Center for AI Hospital & Clinic、以下通称「JMAC-AI」)と連携することで、社会実装時の業務プロセス等の評価も併せて検証いたします。
試行運用の概要
今回、使用する医療AIサービスとして、エルピクセルの脳MRA画像から、2mm以上の囊状動脈瘤の可能性がある候補を検出し、医師の読影を補助する医用画像解析ソフトウェアEIRL Brain Aneurysmとエムネスが提供する医用画像データをクラウド上で安全に共有することができるLOOKRECを、HAIPの医療AIプラットフォームに連携させる試行運用を行います。これにより医療AIプラットフォームを社会実装するためのフィジビリティ評価の一環として、画像データの取得、医療AIサービスによる分析、分析結果の医師への報告等の一連の流れについて医療AIプラットフォームを用いて運用するための技術的検証を約10カ所程度の医療機関のご協力のもと行います。併せてJMAC-AIにおいて参加を希望する医師を募集し、登録する仕組みの構築や業務プロセスの検証も行います。
HAIP、エルピクセル、エムネス及びJMAC-AIの連携イメージ
医療AIプラットフォームについて
医療AIプラットフォームは、サービス事業基盤とAI開発基盤で構成されます。 そのうち今回試行運用するサービス事業基盤では、高度で先進的な医療AIサービスをメニューとして一元的に提供するポータルサイトを提供し、医療機関等の利用者がこのポータルサイトを介して医療AIサービスを安心・安全に利用することが可能になる重要な基盤となります。これにより医師などの利用者は診断補助AIなど多くのサービスを活用することで、診療現場で患者と向き合う時間を増やしたり、働き方改革などに寄与することが期待されています。
一方、AI開発基盤は、より有益な医療AIサービスを創出させるために、医療AIサービスの開発ベンダーや研究者が外部のデータベースを仮想的に利用し、医工連携や産学連携を後押し、さらなる高度で先進的な医療AIサービスを開発できる環境になります。
医療AIプラットフォーム技術研究組合(HAIP)について
内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」課題の中で、2021年4月に本研究に参画する民間企業により設立された厚生労働大臣・経済産業大臣認可による非営利共益法人であり、医療AIサービスの普及・発展に資する業界共通の基盤技術の研究開発を行っています。
株式会社エムネスの製品LOOKRECについて
LOOKRECは100%クラウドベースのため、ブラウザのみで稼働することができる専門ビューワを通じて、リアルタイムに医用画像を共有することで、閲覧・アノテーション・レポート作成を可能にし、医師間コラボレーションの拡大を実現することが可能です。
株式会社エムネスについて
株式会社エムネスは、クラウド上に構築したLOOKRECを活用し、リアルとデジタルの融合した世界で患者が安心して理想の医療を受けられるよう、専門の知識と経験を持った医師や医療関係者がチームで診療出来るサービスを展開しています。
エルピクセル株式会社の製品EIRL(エイル)について
- 医用画像解析ソフトウェアEIRL Brain Aneurysm
EIRL Brain Aneurysmは、脳MRA画像から、2mm以上の囊状動脈瘤の可能性がある候補を検出し、医師の読影をサポートするソフトウェアです。
- 販売名医用画像解析ソフトウェアEIRL aneurysm
- 承認番号30100BZX00142000
- 製品サイト(医療従事者向け): https://eirl.ai/ja/eirl-brain_aneurysm/
エルピクセル株式会社について
エルピクセル株式会社は、ライフサイエンス領域の画像解析に強みを持ち、医療・製薬・農業分野において画像解析技術とりわけ人工知能技術を応用することで、高精度のソフトウエェアを開発してまいりました。医師の診断を支援するAI画像診断支援技術「EIRL(エイル)」、創薬に特化した画像解析AI「IMACEL(イマセル)」を軸に事業を展開しています。
日本医師会AIホスピタル推進センター(JMAC-AI)について
現在AIホスピタル研究の一環として、プラットフォーム事業者と連携して社会実装に取り組んでいますが、将来的には事業者からの申請に基づき、AIホスピタルシステムを支えるプラットフォーム事業者を審査し、認定する形態を取っていく予定です。
また、利用者およびサービス提供事業者の登録事業も担うことになります。事業の進展やサービスの多様化に伴い、関係者間の取決めや規程などを整理し、データとサービスの利用が円滑に行われるよう登録体制を整えていきます。
HAIPの研究開発の一部は、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」課題における受託研究開発費により実施しております。
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